エークラウドの制作部は主にWeb媒体のデザインを制作していますが、
メンバーの前職は雑誌やCDジャケット・ゲーム・映像作品など、
業界的には近いですが、違う仕事をされていた方がほとんどです。

私も前職は、オフセット印刷がメインの印刷会社で
DTPオペレーターとフィルム刷版を担当していました。
紙媒体のデザインの場合、印刷すると修正がきかず、
製品になった仕上がりを想定して制作しなければならない為、
気をつけなければいけない点が沢山あります。

●CMYKカラーの解像度は300～400dpi、モノクロは600～1200dpiで制作する
●フォントはポイント数を入力して制作する
●フォントはアウトラインをかけて入稿する
●ドロップシャドウをつけたオブジェクトは300dpi設定でラスタライズして入稿する
●上下左右に余白・塗り足し・トンボをつける
●あらかじめ印刷物のインク数を決めておく（単色印刷・多色印刷・4色カラー印刷・特色etc）
●画面上のカラーが印刷すると同じ色味にならない場合は調整する

ざっくり書き出したこの7点を把握しておけば、
とりあえず大きな問題はないと思われる印刷データができます。

その点でいうと、Webのバナーデザインにおいては、
画面上で制作したデザインがそのまま完成物として納品されるので、
デザイン以外の注意点に気を割かなくていいことが利点です。

私の場合は、前職で塗装業者のパンフレットや、機械製品のフライヤーなど
オフィス向けの印刷物を制作することが多かったので、
現職のWeb媒体のバナー制作では、若い女性・男性向けのデザインのテイストを
把握することが入社当初は難しかったです。

そんなことを、フリーで活躍している知り合いのデザイナーと
お茶をしていたときに話したところ、
「自分の得意なデザインは好きな雑誌の系統による」という話になりました。
そんなわけで前置きが長くなりましたが、
今回は個人的に長年読んでいる雑誌で、
デザイン的に目を引いた号の表紙を挙げてみます。

【Sports Graphic Number(スポーツ グラフィック ナンバー)／文藝春秋】
デザイン専門学校に通っていたときの講師が勧めていた雑誌です。
フォントもレイアウトもかっちりシンプルで無駄がない、写真が良い点を褒めていました。
この号は、試合前の練習で気迫ある目線と、広い観客席を背景に
期待を背負っている選手の物語性が感じられるので選びました。
個人的には羽生選手より宇野選手と樋口新葉選手を応援しています。

【SCREEN(スクリーン)／近代映画社】
一番よく買っている映画雑誌です。
この表紙は『X-MEN:ファーストジェネレーション』の続編にあたる
『X-MEN:フューチャー＆パスト』の主役ふたりと、
期待感を煽るコピーに当時のファンが沸いたので選びました。
通常は単色の雑誌ロゴが、この時は珍しくグラデーションで
作品の世界観に合ったサイバーチックな加工がされていたのも良かったです。
Numberもそうですが、ロゴぶち抜き人物配置は立体感が出るので好きです。

【bis(ビス)／光文社】

【姉ageha（アネアゲハ）／主婦の友社】

【GOSSIPS (ゴシップス)／日本ジャーナル出版】

ファッション誌はあまり買わなくなりましたが、
このあたりは最近の女の子らしいキャッチーな誌面デザインなので
バナー制作の参考にしたいと目を通しています。

自分が仕事を進める上で改善していかなくてはいけないと思う点が
デザインのクオリティ向上と制作時間の短縮ですが、
上手く作れるようになった気がしても、周りを見渡して比べると
自分のバナーが古いデザインになっていることがかなりあります。
経験に奢らず他に目を向けて、自分の糧にしていきたいと思います。