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エークラウドメンバーによるローテーションブログ
2022.05.17
なんでも書いて良いと聞いたもので
初めまして、漬物です。初ブログです。
最近さらば青春の光のYouTubeを観ているからか、「ブログ」が「ブクロ」にみえます。
2022年も前半が終わってしまうということで、上半期に読んで面白かった本と観て面白かった映画でもご紹介しようと思います。
E.O.ウィルソン『人類はどこから来て、どこへ行くのか』2013年、化学同人
ゴーギャンの有名すぎる絵画の名前が本書のタイトルです。著者のE.O.ウィルソンはハーバード大学で教鞭を取り、人類の知に多大な貢献を行ってきた人物。
本書において彼は、進化生物学でコンセンサスとなっている血縁淘汰を否定しています。
“ほぼ半世紀のあいだ、人類進化の鍵を握る原動力を血縁選択とするのは、私も含め、人間の起源について自然主義的な説明を求めるまともな科学者のあいだで一般的な見方だった。(中略)血縁選択の過程にもとづく包括適応度の一般理論の土台はすでに崩れ、その証拠はせいぜいあいまいなものとなっている。”
同書、p56~57
その代わりに(と言うと語弊があるかもしれませんが)、彼はマルチレベルの選択に関して言及しています。進化は個体選択とグループ選択に動かされている、と。
これは多くの学者から今なお批判を浴びていますが、いわゆる「進化生物学」に与えた影響は極めて大きいと言えるのではないでしょうか。
マイケル.S.ガザニガ『人間とはなにか 上・下』2018年、ちくま学芸文庫
著者は分離脳の研究者として知られるマイケル.S.ガザニガ。様々な観点から「人間とはいったいなにか」について検討している1冊です。
有名な分離脳の研究について言及しても良いかなと思いましたが、数多の本で引用されていますしやめておきましょう。
さて、興味深いのは左脳の働きです。
“解釈装置は私たちの物語を一つにまとめる接着剤の役割を果たし、統一のとれた、理性ある、行為の主体たる感覚を私たちに持たせている”
同書下巻、p169
簡単に言えば、「一続きの私」があるのは左脳のおかげだそうで。不思議ですねえ。
すでに長くなっているのであとはざっくり。
樋口恭介『未来は予測するものではなく想像するものである』2021、筑摩書房
たいそうなタイトルですが、中身はSFプロトタイピングについてわかりやすく書いてあります。著者の樋口恭介氏はSF作家。『構造素子』でハヤカワSFコンテスト大賞を受賞しています。こちらもおすすめ。
ナシーム・ニコラス・タレブ『反脆弱性』2017年、ダイヤモンド社
リスクと不確実性に関する本。タイトルの反脆弱性というのはタレブの造語です。ハイ、面白いので読んでみてください。
映画に関しては新作を観るというよりも、好きなものをまた観るといった感じでした。
ミケランジェロ・アントニオーニ『欲望』1966年
初めて観たのは大学生のときですが、それからずっと好きな1本。ミケランジェロ・アントニオーニの作品は色使いが素晴らしいです。
ちなみにミウッチャ・プラダの一番好きな監督はアントニオーニらしいですけど、これを観て勝手に合点しました。余談の余談ですが、現在プラダのデザイナーってミウッチャ・プラダとラフ・シモンズなんですって。ほほえましいですね。
イングマール・ベルイマン『第七の封印』1957年
一番好きな映画監督であるベルイマンの傑作。みんな大好き『500日のサマー』でもそのオマージュが登場するのは有名なお話。
死神のイメージを規定したとも言われている1本です。この映画のせいでなぜかプラトン読み始めて人生がややこじれました。責任を取ってほしい。
ウォン・カーウァイ『恋する惑星』1994年
90年代に起こった香港映画ブームを牽引したウォン・カーウァイの作品。死ぬ前に映画観て良いよって言われたらこれを観ます。九龍がめちゃくちゃ良いんですよね。
今夏ウォン・カーウァイ作品が4Kでよみがえるとのことでテンションがブチ上がっています。
ちなみに『花様年華』『天使の涙』も狂おしいほど好きです。
長くても良ければ50作品くらいご紹介したいところですが、このへんで。
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